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腰痛と関わり深い「胸腰筋膜」とは何か?

腰痛というと、背骨や筋肉を思い浮かべると思います。もちろんそれらは重要な組織で、腰痛の主な発生部位です。

近年では筋膜への関心も高まっています。腰痛と関わり深いとされる「胸腰筋膜」について今回はご紹介していきます。

腰痛

胸腰筋膜とは?

人間の体内には筋膜と呼ばれる膜があり、筋肉まわり・内臓まわりなど体全体を覆っています。筋肉まわりを一続きに包む筋膜の中で、胸部や腰部にある筋膜を「胸腰筋膜」と呼んでいます。

胸腰筋膜は腰部で三層構造になっており、「一番深いところの前葉」「腹筋群を包む中葉」「大殿筋と広背筋を繋ぐ後葉」に分けられます。

中葉と後葉の間には多裂筋や脊柱起立筋などのいわゆる背筋があります。三層それぞれ、包む筋肉を骨・靭帯に繋ぐ役割を果たしています。

筋膜には感覚の受容体があり、筋緊張や交感神経、血管などに関わっています。そして、筋膜自身に収縮能力があるのが特徴的です。

腰痛と胸腰筋膜

筋膜の過緊張や線維化が、筋筋膜性の痛みに繋がると考えられています。筋膜の動きが悪くなれば、包まれた筋の動きも悪くなります。

筋肉の収縮によって、筋膜は引っ張られ、また収縮します。左右非対称な運動や姿勢は、胸腰筋膜を偏って伸張し、過緊張を招く可能性が高いでしょう。胸腰筋膜は特に、上肢や下肢の影響も受けやすい組織です。

胸腰筋膜は上部で頸部や上肢の筋膜と繋がり、下部では下肢の筋膜と繋がっています。このことは先に説明した後葉の大殿筋と広背筋を繋いでいる様子を見てもわかりやすいでしょう。

また、腹筋群や背筋群を固定する大切な役目を担っていますから、胸腰筋膜が適切な状態であることは体幹を安定させる上で重要です。

とりわけ体幹のインナーマッスルである腹横筋と多裂筋が収縮することで胸腰筋膜が緊張して得られる、腰椎・骨盤部分の「コルセット作用」が注目されています。

このコルセット作用が破綻すると、アウターマッスルが代わりに働いて腰や骨盤を安定させようとし、胸腰筋膜を過緊張させたり、筋肉や関節への負担を増大させたりします。

腰痛ではありませんが、コルセット作用の破綻から、大腿二頭筋(太ももの後ろの筋肉)がオーバーユースとなって痛みが出てしまうこともあります。

過剰に働いている筋肉をほぐしていこう

筋筋膜性の痛みというのは、レントゲンやMRIなどで場所がはっきりとわかるものではありません。そのため対処法もはっきりせず、「原因不明の痛み」として悩まれる方も多いです。

胸腰筋膜に関わる痛みでは、先ほど説明したように非対称な運動・姿勢、どこかをかばった動作で現れやすいです。

一般的には筋膜を伸ばしたり圧迫したりすることで筋膜の動きを改善していくアプローチや、超音波療法などの温熱療法が用いられます。ときには手術となる場合もあります。

まずは過剰に働いてしまっている筋肉をほぐし、偏った筋肉の使い方をしなくてよい動作方法や姿勢を目指していきましょう。

八王子駅のくわの森整骨院では、腰痛に対する施術も行っています。固まった筋肉をほぐし、腰に負担を改善していきます。ぜひご相談ください。

“参考文献
「腰背部痛における胸腰筋膜の関与 著)由留木裕子,中俣恵美,池辺るり子,早﨑華,目崎聖子,玄安季 総合福祉科学研究2019」

「クリニカルリーズニング クリニカルリーズニングに基づく理学療法の捉え方(症例呈示) 演者)白尾泰宏 第48回日本理学療法学術大会運動器理学療法特別セッション・教育講演」

「体幹機能障害の分析および治療-腰椎の分節安定性- 著)齋藤昭彦 理学療法科学2007」

「骨盤帯 臨床の専門的技能とリサーチの統合 原著第4版 原著)Diane Lee 医歯薬出版株式会社2013」

 


腰痛と関わり深い「胸腰筋膜」とは何か?
柔道整復師・八王子くわの森整骨院院長 剣持真克登監修


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     2022年02月24日    

         

※個人の感想であり、効果には個人差があります。